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墓じまいのしるべ

相続税の申告は必要ですか|お墓を除いた遺産を基礎控除と比べます。期限は10か月です

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親が亡くなり、お墓の整理と相続の手続きが重なったときに。相続税の申告が要るかは、お墓など非課税の財産を除き、死亡保険金・死亡退職金の非課税の枠を超える分を加えた遺産額を、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べて決まります。期限・提出先・差し引ける葬式費用と、税額が0円になる特例でも申告書が要ることを、国税庁の公表情報で確認しました。

手続き公開日:更新日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 相続税の申告が要るかを、基礎控除の式で見当をつける方法が分かる
  • お墓・仏壇は計算に入らず、死亡保険金・死亡退職金は非課税の枠を超える分が入ることが分かる
  • 差し引ける葬式費用と差し引けない費用、差し引けるのは誰が負担した分かが分かる
  • 申告の期限(10か月)と提出先、配偶者の税額の軽減で税額が0円になっても申告書が要ることが分かる
  • 公的な相談窓口と税理士の探し方、税理士に相談する前にそろえておくものが分かる

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白い花瓶に生けた紫の花

結論:お墓を除いた遺産が、基礎控除を超えるかどうかです

親が亡くなり、お墓をどうするかを考えながら、相続の手続きも進めている——という場面です。「相続税の申告まで要るのか」は、早めに見当をつけておきたい点です。

国税庁の説明では、相続税の申告が要るのは、相続などで取得した財産の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超える場合です(タックスアンサー No.4205)。

見当のつけ方は、次の4段です。

  1. 亡くなった人の財産に、死亡保険金・死亡退職金など「相続財産とみなされるもの」を加える。
  2. お墓・仏壇など、相続税がかからない財産を除く。 死亡保険金・死亡退職金は、非課税の枠を超える分だけを残します。
  3. 借入金などの債務と、葬式費用(一定の相続人・包括受遺者が負担したもの)を差し引く。
  4. 残った額を、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べる。

超えていれば、申告が要ります。配偶者の税額の軽減などの特例を使って納める税額が0円になる場合でも、特例を受けるには申告書の提出が要ります(後で書きます)。超えていなくても、確かめたい場面があります。

基礎控除額の計算

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の式で計算します(No.4102)。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

上の表は、式に人数を当てはめて本サイトで計算したものです。「法定相続人の数」の数え方には決まりがあります。 たとえば No.4102 の注記では、養子は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までしか数えないとされています。

もうひとつ、比べる側の「遺産」には、亡くなる前の一定の期間に受けた贈与などが加算される場合があります(No.4102 の注記)。生前に財産を受け取った家族がいる場合は、その分も含めて確かめてください。

また、基礎控除と比べる財産の額は、小規模宅地等の特例などを使う前の額です(No.4205 の注記)。特例を使うと基礎控除の範囲に収まる場合でも、使う前の額が基礎控除を超えていれば、申告が要ります。

お墓や仏壇は、計算に入れません

墓地や墓石、仏壇、仏具など日常礼拝をしている物は、相続税がかからない財産です(No.4108)。墓じまいを考えているお墓も、ここに入ります。

ただし、投資の対象となるものや商品として持っているものは除かれます。生前に買ったお墓の未払代金を差し引けない点も含めて、お墓に相続税はかかりますかにまとめています。

お墓を誰が継ぐかは、遺産分割とは別の決まりです。民法第897条は、お墓(墳墓)の所有権は祖先の祭祀を主宰する人が承継すると定めています。お墓と実家は継ぐ手続きが別ですで詳しく扱っています。

死亡保険金・死亡退職金は、遺産に含めて考えます

亡くなった人の預貯金や不動産のほかに、相続などで取得したものとみなされる財産があります。見落としやすいのが、死亡保険金と死亡退職金です。

  • 死亡保険金:亡くなった人が保険料の全部または一部を負担していた生命保険金や損害保険金(損害保険金は、偶然な事故による死亡に伴うものに限ります)は、相続などで取得したものとみなされ、相続税の対象になります(No.4114)。
  • 死亡退職金:亡くなった人に支給されるはずだった退職手当金・功労金などで、亡くなった後3年以内に支給が確定したものも、相続などで取得したものとみなされます(No.4117)。

どちらにも、相続人が受け取った分に非課税の枠があります。枠はそれぞれ「500万円×法定相続人の数」で、すべての相続人が受け取った合計額がこの枠を超えると、超えた分が相続税の対象になります(No.4114・No.4117)。No.4117 の例では、法定相続人が3人の場合の枠は1,500万円です。No.4108 も、死亡保険金と死亡退職金を、それぞれ「500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分」が相続税のかからない財産として、別の項目で挙げています。

国税庁が挙げている注意点は次のとおりです(No.4114・No.4117)。

  • 相続を放棄した人や相続権を失った人、相続人以外の人が受け取った分には、非課税の枠を使えません。
  • 枠の計算に使う「法定相続人の数」は、相続を放棄した人がいても、放棄がなかったものとして数えます。養子の数え方は、基礎控除と同じ決まりです。

保険料を亡くなった人が負担していなかった保険金は、ここで書いた相続税の扱いに当たりません。その場合の税の扱いは、本サイトでは確認していません。

差し引ける葬式費用と、差し引けない費用

国税庁は No.4129 で、一定の相続人と包括受遺者が負担した葬式費用は、相続税を計算するときに遺産総額から差し引けるとしています。差し引けるかどうかには、誰が負担したかも関わります。含まれるものと含まれないものは、次のように分けて挙げられています。

区分国税庁が挙げているもの(要約)
葬式費用になる火葬・埋葬・納骨にかかった費用(葬式や葬送に際し、またはその前のもの)/遺体や遺骨の回送の費用/通夜など葬式の前後の費用で通常かかせないもの/葬式に当たって寺などに払った読経料などのお礼/遺体や遺骨の運搬の費用
葬式費用に含まれない香典返しのための費用/墓石や墓地の買入れ、墓地を借りるための費用/初七日など法事のための費用

墓じまいに関わる費用で、ここに直接出てこないものがあります。墓石の撤去工事や改葬の手続きの費用が葬式費用に含まれるかは、本サイトでは確認できていません。 新しい墓地や墓石を買う費用は、「墓石や墓地の買入れ」として含まれない側に挙がっています。

判断に迷う費用は、領収書を墓じまいの費用と葬式の費用で分けて保管し、誰が払ったかも分かるようにして、税理士か税務署に確かめてください。

申告の期限と提出先

No.4205 は、期限と提出先を次のように説明しています。

  • 期限:亡くなったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内。国税庁の例では、1月6日に亡くなった場合は11月6日です。
  • 提出先:亡くなった人の住所が日本国内にあった場合は、亡くなった人の住所地を所轄する税務署です。申告する相続人の住所地の税務署ではありません。
  • 納税:申告の期限までに行います。

墓じまいは、寺院や墓地の管理者、新しい納め先と順に話を進めるため、時間がかかることがあります。相続税の期限は、墓じまいの進み具合とは関係なく進みます。 二つの予定を別々に立ててください。

申告が要らないように見えても、確かめたい場面

国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」では、財産の金額などを入力して、申告が要るかのおおよその見当をつけられます。

ただし国税庁は、このコーナーが財産・債務・葬式費用を合計して判定していることから、債務を特定の相続人がまとめて負担する場合などは、コーナーで「不要」と出ても、正しい計算では申告が必要になる例があると注意を促しています。

もうひとつが、「配偶者の税額の軽減」を使う場合です。国税庁の説明では、配偶者が遺産分割や遺贈で実際に取得した正味の遺産額が、1億6千万円と配偶者の法定相続分相当額の、どちらか多い金額までなら、配偶者に相続税はかかりません(No.4158)。申告の期限までに分けられていない財産は、原則として軽減の対象になりません(申告書などに「申告期限後3年以内の分割見込書」を添えて、期限から3年以内に分けた場合などは対象になります)。

この軽減を受ける手続きは、軽減の明細を記載した申告書などを、戸籍謄本等や遺産分割協議書の写しなどを添えて提出することです(No.4158)。国税庁の「暮らしの税情報」も、配偶者の税額軽減(配偶者控除)を受けるためには相続税の申告書の提出が必要としています。軽減を使えば配偶者の税額が0円になる場合でも、軽減を受けるには申告書を出す必要があります。 「税額が0円になるなら何も出さなくてよい」と考えず、期限までの手続きを確かめてください。

亡くなった人などが住まいや事業に使っていた土地の一定の部分の評価を減らす「小規模宅地等の特例」も、同じく、受けるには相続税の申告書の提出が必要とされています(暮らしの税情報)。

税理士に相談するなら

財産の評価や特例の適用では、判断に迷う場面があります。相談先を探すときの手がかりは次のとおりです。

まず、公的な窓口で一般的なことを聞く

  • 国税局の電話相談センター:国税庁の「税についての相談窓口」によると、国税に関する相談には、各国税局の電話相談センターで国税局の職員等が答えます。国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901・ナビダイヤル)にかけ、音声ガイダンスで「3」(譲渡所得、相続税、贈与税、財産評価)を選びます。受付は8時30分〜17時00分(土日祝日と12月29日〜1月3日を除く)で、通話料がかかります。ナビダイヤルを使えない電話からは、所轄の税務署の代表番号にかけて「1」を選ぶとつながります。
  • 税理士会の無料税務相談会:日本税理士会連合会によると、全国15の税理士会が、税理士記念日(2月23日)を中心に無料税務相談会などを開いています。日程や場所は、住んでいる地域の税理士会に問い合わせてください。

申告書の作成まで任せたい場合は、税理士を探します。

税理士の探し方

国税庁は、税理士を探す方法として、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」を案内しています。登録されている税理士・税理士法人を調べられます。

同サイトのトップページには、次の注意書きがあります。

本サイト以外のインターネット上に存在する税理士紹介サイトは、日本税理士会連合会とは一切関係がありませんのでご留意ください。

民間の紹介サービスを使う場合も、紹介された税理士の登録をこの検索サイトで確かめることができます。このページの下の広告欄には、民間の税理士紹介サービスを1件載せています。紹介の料金はかからないと案内されていますが、申告を頼んだときの税理士の報酬は別です。

報酬と紹介の仕組みは、依頼の前に書面で確かめる

税理士の報酬や、紹介サービスの費用(誰が、何に対して払うのか)は、事務所やサービスごとに違います。本サイトでは比較していません。依頼する前に、見積もりと契約の内容を書面で確かめてください。

税理士に相談する前にそろえておくもの

  • 亡くなった人の財産の一覧(預貯金・不動産・有価証券・保険など。分かる範囲でよい)
  • 死亡保険金・死亡退職金の支払いの通知など、受取人と金額の分かる書類
  • 借入金や未払金など、債務の分かる書類
  • 葬式費用の領収書(お布施など領収書が無いものは、日付・金額・支払先のメモ。誰が払ったかも分かるように)
  • お墓・墓じまいに関わる費用の領収書(葬式費用と分けて保管する)
  • 法定相続人が誰かを確かめるための戸籍
  • 遺言書の有無と、遺産分割の話し合いの状況

何が必要かは事情によって変わります。相談先の指示に従ってください。

よくある質問

Q. お墓や仏壇の価値も、遺産の合計に入れますか。 A. 日常礼拝をしている墓地・墓石・仏壇・仏具などは、相続税がかからない財産です(No.4108)。投資の対象となるものや商品として持っているものは除かれます。

Q. 親の生命保険の死亡保険金も、遺産の合計に入れますか。 A. 亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続などで取得したものとみなされます。相続人が受け取った分は、すべての相続人の合計で「500万円×法定相続人の数」までが非課税で、超えた分を遺産に含めて考えます(No.4114)。

Q. 配偶者の税額の軽減で税額が0円になるなら、申告しなくてよいですか。 A. 軽減を受けるには、軽減の明細を記載した申告書などの提出が要ります(No.4158・暮らしの税情報)。税額が0円になる見込みでも、期限までの手続きを確かめてください。

Q. 申告書は、自分の住所の税務署に出せばよいですか。 A. 亡くなった人の住所が日本国内にあった場合、提出先は亡くなった人の住所地を所轄する税務署です(No.4205)。

Q. 墓じまいが終わってから申告すればよいですか。 A. 申告の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。墓じまいの進み具合では変わらないため、別々に予定を立ててください。

Q. 納骨の費用や、お寺へのお礼は差し引けますか。 A. 国税庁は、葬式や葬送に際して(またはその前に)納骨をするためにかかった費用や、葬式に当たって寺などに払った読経料などのお礼を、葬式費用に挙げています。初七日など法事のための費用と香典返しの費用は含まれません(No.4129)。墓じまいで改めて行う納骨がどちらに当たるかは、本サイトでは確認していません。

次に確認すること

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