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墓じまいのしるべ

改葬許可の委任状と承諾書の違い|家族が代わりに申請・提出するとき、どちらが要るか

お墓の名義は兄、手続きを進めるのは弟。このとき改葬許可には委任状と承諾書のどちらが要るのか。省令の定めと、福岡市・姫路市・大津市・横浜市・四日市市の案内を並べ、「申請者を誰にするか」で決まる書類の違いを整理しました。

手続き公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 承諾書は「名義人以外が申請者になる」ときの書類、委任状は「申請者の代わりに別の人が窓口で手続きする」ときの書類だと分かる
  • 福岡市の記入例が示す2つの場合(弟が申請者になる/兄の名義のまま弟が出す)で、要る書類が変わることが分かる
  • 同じ場面でも、自治体によって「委任状」「承諾書」の呼び方や扱いが違うことが分かる
  • 名義人が亡くなっている場合は名義人の委任状・承諾書は作れず、先に名義を継ぐか、自治体が求める別の承諾(武蔵野市は相続人全員の承諾)が要ることが分かる
花と書類を並べ、墓じまいの準備を整理する机

結論:「申請者を誰にするか」を先に決めると、要る書類が決まります

お墓の名義(墓地の使用者)は兄で、実際に動くのは弟。このような場合に迷うのが、委任状と承諾書のどちらを用意するかです。

2つは役割が違います。

  • 承諾書:名義人以外の人が申請者になるときに、名義人が「この人が改葬することを認めます」と書く書類。省令(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条)が、申請者が墓地使用者等でない場合に「改葬についての承諾書」を添えるよう定めています。
  • 委任状:申請者は名義人のまま、別の人が窓口で出したり、許可証を受け取ったりするときの書類。省令の添付書類には挙がっておらず、代理の人が手続きするときに自治体が求めるものです。

つまり、先に「申請書の申請者欄に誰の名前を書くか」を決めると、どちらが要るかが決まります。

福岡市の記入例が分かりやすい

福岡市の改葬許可申請書の記入例は、兄が名義人の場合を2つに分けて書いています(2026年10月27日に確認)。

墓地の名義が兄のとき(福岡市の記入例より)

例① 弟が申請する

申請者欄
弟
「墓地使用者との関係」欄
「本人以外」に〇、続柄は「弟」
要る書類
申請書下部の承諾書欄に兄が記入

例② 兄の名義で申請し、弟が提出する

申請者欄
兄
「墓地使用者との関係」欄
「本人」に〇
要る書類
承諾書欄は不要。別途、兄から弟への委任状

例①は「弟が改葬する人」になり、名義人の兄が承諾します。例②は「兄が改葬する人」のままで、弟は使いとして窓口に行くだけです。

立場ごとの早見表

誰が名義人で、誰が申請し、誰が窓口へ行くか

名義人が申請し、自分で窓口へ行く

承諾書
不要
委任状
不要
補足
いちばん書類が少ない

名義人が申請者のまま、家族が窓口へ行く

承諾書
不要
委任状
要る(名義人→家族)
補足
代理人の本人確認書類も持参(姫路市・大津市)

名義人でない家族が申請者になる

承諾書
要る(名義人が書く)
委任状
その家族が自分で行くなら不要
補足
四日市市・福岡市は申請書の下部に承諾欄がある

名義人がすでに亡くなっている

承諾書
名義人本人は書けない
委任状
名義人本人は書けない
補足
先に名義を継ぐ(承継)か、相続人全員の承諾を求める自治体もある(武蔵野市)

自治体によって、呼び方と扱いが違います

同じ「名義人と申請者が違う」場面でも、自治体の書き方はそろっていません。

  • 姫路市は分けています。代理人が手続きするときは委任状と代理人の本人確認書類、申請者と墓地の使用者が違うときは「墓地の使用者から承諾を受けたことがわかる承諾書」(ともに任意様式)としています。
  • 福岡市も分けています(上の例①・例②)。
  • 横浜市は「墓地使用者と申請者が異なる場合は、墓地使用者の作成した委任状や承諾書等が必要」とし、どちらでもよい書き方です。
  • 大津市の記載例は「原則、墓地使用者と同一の者が申請者。異なる場合は委任状が必要」としています。
  • 武蔵野市は、いまの墓地使用者と新しい墓地使用者(申請者)が違う場合に「改葬承諾書」を求め、いまの使用者が亡くなっている場合は「相続人全員の承諾が必要」としています。

このように、大津市では「委任状」と呼ぶものを、姫路市では「承諾書」と呼ぶ場面があります。様式を作る前に、申請先の市区町村の案内で、その場面で何という書類を求めているかを確かめてください。申請先は、いま遺骨がある場所の市区町村です。

委任状に書くこと

姫路市・大津市の様式は、どちらも任意様式で、次の内容を書く形です。

  • 委任者:本来の申請者(墓地の名義人)の住所・氏名
  • 受任者(代理人):窓口で手続きする人の住所・氏名
  • 委任する内容:姫路市の様式は「改葬許可申請書の提出を行うこと」「改葬許可証の交付をうけること」の2つ。大津市の様式は「改葬許可申請の手続きに係る一切の権限」
  • 日付

窓口では、大津市は委任者・受任者の本人確認書類、姫路市は代理人の本人確認書類を求めています。許可証を受け取るところまで任せるかを、委任状の文面で明確にしておくと、窓口で止まりません。

承諾書に書くこと

姫路市の承諾書(参考様式)は、墓地の使用者が「下記のとおり改葬を行うことについて、承諾します」と書き、次の欄を埋める形です。

  • 墓地の使用者の住所・氏名・電話番号
  • 改葬許可申請者の住所・氏名
  • 墓地の所在地
  • 改葬する遺骨(氏名・性別・死亡年月日・火葬の有無)
  • 承諾日

四日市市と福岡市は、別紙ではなく申請書の下部に承諾欄があり、名義人がそこに記入・押印(福岡市は署名または記名押印)します。

名義人が亡くなっている、または遠くに住んでいる

亡くなっている場合。 承諾書も委任状も、名義人本人が書くものです。名義人が亡くなっていれば、名義人本人の書類は作れません。その場合の扱いは自治体で違います。墓地の管理者へ使用権の承継(名義変更)を届けて新しい名義人が申請者になる方法のほか、武蔵野市のように相続人全員の承諾を求める自治体もあります。申請先の自治体と墓地の管理者の両方に、どちらで進めるかを確かめてください。名義の手続きはお墓の名義変更が先ですで扱っています。誰が名義を継ぐかが家族の話し合いで決まらない場合は、お墓の継ぎ手が決まらないときを見てください。

遠くに住んでいる場合。 名義人が遠方でも、承諾書や委任状は郵送でやり取りできます。どちらも名義人本人が氏名を書く書類なので、書類を送る前に、申請書の欄(申請者・関係)の書き方を家族で決めておくと、書き直しの往復が減ります。

石材店や代行業者に出してもらう場合

自治体によっては、事業者からの提出を受け付けています。高砂市は、公園墓地の電子申請について、霊域内工事届・完了届、霊域返還届、改葬許可申請書は「事業者様からの申請も可能」としています。札幌市は市営霊園の建立・返還の手続きについて「石材店等が代理申請する際は委任状が必要」としています。

なお、他人の依頼を受けて報酬を得て官公署に出す書類を作ることは、行政書士の業務とされています(行政書士法 第1条の3)。業者に頼むときに誰が申請書を作るのかは、墓じまいを代行業者に頼む前に確かめることで扱っています。

書類を作る前に、家族で決めておくこと

  • 墓地の名義人はいま誰か(使用許可証・契約書で確認)
  • 名義人が亡くなっていないか(亡くなっていれば先に承継)
  • 申請書の申請者欄に誰の名前を書くか
  • 窓口に行く人・許可証を受け取る人は誰か
  • 申請先の自治体が、その場面で「委任状」「承諾書」のどちらを求めているか

申請者を決めると、承諾書が要るかどうかが決まります。窓口に行く人を決めると、委任状が要るかどうかが決まります。

本サイトで確認できていないこと

  • 名義人が認知症などで判断が難しい場合に、承諾書・委任状をどう扱うか。家庭裁判所の成年後見の手続きが関わる可能性がありますが、改葬の窓口での扱いは確認できていません。申請先の自治体に相談してください。
  • 承諾書・委任状に印鑑登録証明書を求めるかどうか。今回確認した6市(大津市・姫路市・横浜市・福岡市・四日市市・武蔵野市)の改葬の案内には、印鑑登録証明書を求める記載はありませんでした(福岡市は、記名押印した場合に申請者の印鑑を持参するよう案内しています。札幌市は霊園の返還手続きで印鑑登録証明書を求めています)。
  • 6市以外の自治体の様式と呼び方。

次に確認すること

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