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墓じまいのしるべ

エンディングノートにお墓のことを書くとき|自治体の無料のノート・市販のノートの選び方と、書いておく項目

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自分が亡くなった後、お墓を誰が継ぐか、墓じまいをしてほしいか、遺骨をどこに納めてほしいかを家族に伝えておきたいときに。エンディングノートには法的な効力がないことを前提に、自治体が無料で配るノートと市販のノートの違い、お墓について書いておく項目、遺言と使い分ける場面を、自治体・法務省の公表情報と民法の条文で整理しました。

はじめに公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • エンディングノートには法的な効力がなく、希望を伝える道具だと分かる
  • 自治体が無料で配るノートと、市販のノートの違いと選び方が分かる
  • お墓について書いておく項目(墓地・書類の場所・管理料・継ぐ人・墓じまいと納め先の希望)が分かる
  • お墓を継ぐ人は民法第897条で決まり、被相続人の指定があればそれに従うことが分かる
  • 遺言と使い分ける場面と、法務局の自筆証書遺言書保管制度の手数料が分かる
白い花瓶に生けた紫の花

結論:ノートは「希望を伝える道具」。お墓の書類の場所と、継ぐ人・納め先の希望を書きます

エンディングノートは、自分に何かあったときに備えて、家族や周りの人に伝えたいことを書き留めておくノートです。山口市は、エンディングノートは遺言書と異なり法的効力はなく、相続など法的な効力が必要な事柄は別に遺言書の作成が必要、と案内しています。

お墓について書くなら、次の2つに分けて考えます。

  • 事実を書く:墓地の名前と区画、使用許可証などの書類の置き場所、管理料の払い方、名義人、お寺の連絡先。家族が後で困るのは、たいていここです。
  • 希望を書く:お墓を誰に継いでほしいか、墓じまいをしてほしいか、自分の遺骨をどこに納めてほしいか。
エンディングノートにお墓のことを書く項目の図。墓地と書類(名前・区画・使用許可証の場所)、お金(管理料・名義)、希望(継ぐ人・墓じまい・納め先)、法的な効力が要ることは遺言で。

編集部作成。お墓について書く項目を4つに分けた図です。

この記事が役立つ人:自分が守っているお墓のことを、子どもや親族に伝えておきたい人。墓じまいを考えているが、まだ決めきれず、希望だけでも書き残したい人。

ノートの選び方:まずは自治体の無料のノートを確かめます

エンディングノートは、自治体が無料で配っていることがあります。市販のノートを買う前に、お住まいの市区町村のホームページで「エンディングノート」を検索してみてください。たとえば次のような例があります(2026-11-01確認)。

  • 静岡市:「エンディングノート~これからの人生を豊かにしていくために~」。書き直しやすいようページを切り離せる作りで、新しい用紙はダウンロードできる。章ごとのPDFがあり、「もしものときの葬儀お墓の希望」が独立した章になっている。地域包括ケア推進課・地域包括支援センター・各区高齢介護課に置いている。
  • 福岡市:「マイエンディングノート」を情報プラザ(市役所1階)や各区役所などで配布し、PDFでも公開。記入項目の少ない簡易版のリーフレットもある。
  • さいたま市:埼玉司法書士会とさいたま地方法務局が共同で作った「エンディングノート~あなたに届け、わたしの想い~」を案内(相続登記・遺言・成年後見などの情報をまとめたもので、リンク先から無料でダウンロード。区役所での配布はしていない)。
  • 山口市:市が作ったエンディングノートを山口市成年後見センターで無料配布(配布数に限りがあり、おひとり一冊)。

編集部作成。自治体のノートの内容・配布の方法は自治体ごとに違います。市販のノートの仕様は商品ごとの表示で確認してください。

費用

自治体の無料のノート
無料(配布・ダウンロード)
市販のノート
購入が必要
自分で作る(紙・手帳)
ほぼかからない

手に入れ方

自治体の無料のノート
窓口で受け取るか、PDFを印刷
市販のノート
書店・通信販売
自分で作る(紙・手帳)
手元の紙やノート

お墓の欄

自治体の無料のノート
葬儀・お墓の章があるものがある(静岡市など)
市販のノート
商品によって違う
自分で作る(紙・手帳)
自分で項目を立てる

書き直し

自治体の無料のノート
ページを差し替えられる作りのものもある
市販のノート
製本の形式による(リング式・とじ式など)
自分で作る(紙・手帳)
自由

向く人

自治体の無料のノート
まず無料で始めたい人。地域の相談先の情報も一緒にほしい人
市販のノート
記入欄が細かく分かれた一冊を使いたい人
自分で作る(紙・手帳)
書く項目が少なく、お墓のことだけ残したい人

気をつけること

自治体の無料のノート
配布数に限りがあることがある。住民向けの案内が中心
市販のノート
名入れなどがない限り返品は販売先の条件による
自分で作る(紙・手帳)
家族が見つけられる場所に置く

市販のノートを選ぶときは、次を見ます。

  1. お墓・供養の欄があるか(葬儀だけでなく、お墓の所在地・継ぐ人・納め先の希望を書く欄)
  2. 書き直しやすいか(リング式・ルーズリーフ式は差し替えやすい)
  3. 書く量に合うか(銀行口座・保険・ID などまで書く大きなノートか、お墓と葬儀に絞った薄いものか)
  4. 保管の方法(見られたくない情報を書くなら、置き場所と、家族に伝える方法を一緒に考える)

下は楽天市場とAmazonの検索結果へのリンクです。お墓の欄があるかどうかは、商品ページの「記入項目」「目次」で確かめてください。

お墓について書いておく項目

編集部作成:エンディングノートに書くお墓の項目

  • 墓地の名前・所在地・区画番号(公営・民営・寺院のどれか)
  • 墓地の使用許可証(永代使用承諾書など)の置き場所
  • 管理料の金額・払い方(口座引き落としなら口座)・払い込みの時期
  • いまの名義人(墓地の使用者)が誰か
  • お寺や霊園の連絡先、付き合いのある石材店
  • お墓に入っている人(分かる範囲で)
  • お墓を継いでほしい人、継ぐ人がいなければ墓じまいをしてほしいか
  • 自分の遺骨を納めてほしい場所(いまのお墓・永代供養墓・散骨など)
  • 墓じまいや納骨の費用の出どころ(預金の口座など)
  • 仏壇・位牌の扱いの希望

使用許可証が見つからない場合の再交付については、別の記事にまとめています(下のリンク)。

使用許可証が手元にないと、名義変更や改葬許可の手続きで止まることがあります。見つからない場合は墓地の使用許可証が見つかりませんを参考にしてください。名義変更の手続きはお墓の名義変更が先ですにあります。

「誰が継ぐか」は民法第897条で決まります

お墓(墳墓)は、預金や家のような一般の相続財産とは別の決まりで受け継がれます。民法第897条第1項は、系譜・祭具・墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継すると定めています。慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定めます(同条第2項)。

つまり、自分が「この人に継いでほしい」と指定しておけば、その人が継ぐのが原則です。ただし、どのような方法で指定すればよいかは条文に書かれていません。エンディングノートに書いた指定が争いになったときにどう扱われるかは、本サイトでは確認できていません。確実にしたい場合は、遺言に書くことや、専門家への相談を考えてください。

継ぐ人が決まらないときの家庭裁判所の手続きはお墓の継ぎ手が決まらないときにまとめています。

遺言と使い分けます

編集部作成。遺言書の作り方の詳細は法務省・公証役場などの案内で確認してください。

法的な効力

エンディングノート
ない(山口市の案内)
遺言書
法律の方式に従って作れば、ある

書く内容

エンディングノート
自由。書類の場所や連絡先、気持ちも書ける
遺言書
財産の分け方など。方式を守る必要がある

書き直し

エンディングノート
いつでも自由
遺言書
方式に従う必要がある(方法は法務省・公証役場などの案内で確認)

保管

エンディングノート
自宅など。家族に場所を伝える
遺言書
自筆証書遺言は法務局に預けられる(自筆証書遺言書保管制度)

向くこと

エンディングノート
お墓の書類の場所、管理料の払い方、希望を伝える
遺言書
財産を誰に渡すか、法的にはっきりさせたいこと

法務省の自筆証書遺言書保管制度では、自分で書いた遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けることができます。保管の申請の手数料は遺言書1通につき3,900円で、収入印紙で納めます(法務省の案内・2026-11-01確認)。

墓じまいの費用を親の預金から出す場合の決まりは亡くなった親の預金から墓じまいの費用を出せますかにまとめています。費用の出どころをノートに書いておくと、家族が手続きを進めやすくなります。

書いた後にすること

  • 置き場所を家族に伝える:見つからなければ書いた意味がありません。
  • 年に一度など、見直す日を決める:管理料の口座や連絡先は変わります。静岡市のノートが書き直しやすい作りになっているのも、希望や意向が状況で変わるためと説明されています。
  • 話し合いのきっかけにする:ノートに書いたことを、家族と話す材料にします。話す順番は家族と墓じまいを話すときの順番が参考になります。

本サイトで確認できていないこと

次に確認すること

よくある質問

Q. エンディングノートに「墓じまいしてほしい」と書けば、家族はそのとおりにしなければいけませんか。 エンディングノートには法的な効力がありません。家族に希望を伝える手段として使い、元気なうちに話し合っておくことをおすすめします。

Q. 自治体のノートは、住んでいない市のものを使ってもよいですか。 ダウンロードできる自治体のノートを使ってはいけないという決まりは見当たりませんが、窓口や地域の相談先の情報はその自治体の住民向けです。まずはお住まいの自治体のノートを確かめてください。

Q. パソコンやスマートフォンに書いてもよいですか。 形式の決まりはありません。ただし、家族がパスワードを知らないと開けないことがあります。お墓の書類の場所など、家族がすぐに必要な情報は紙にも残しておくと安心です。

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