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墓じまいのしるべ

墓地は更地にして返すのですか|返還の手続きを3市で確認しました

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墓じまいで遺骨を取り出したあと、墓地そのものをどう返すか。墓地、埋葬等に関する法律に原状回復の条文はなく、決めているのは条例と使用規則です。広島市・札幌市・仙台市の案内と東京都霊園条例の条文で、何をどの順で求められるかを確かめました。

手続き公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 更地にして返す義務が、法律ではなく条例・使用規則の側にあることが分かる
  • 撤去して終わりではなく、更地になったことの証明を求める自治体があることが分かる
  • 工事を始める前に撮っておかないと出せない書類があることが分かる
  • 使用許可証や印鑑登録証明書が原本で要ること、代理なら委任状が要ることが分かる

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花と書類を並べ、墓じまいの準備を整理する机

結論:更地にして返すのが原則です。ただし決めているのは法律ではありません

遺骨を取り出して納め先へ移せば終わり、ではありません。墓地そのものを返す手続きが残ります。

そして多くの自治体が、墓石や外柵をすべて撤去し、更地に戻して返すことを求めています。

ただし、それを定めているのは法律ではありません。墓地、埋葬等に関する法律(全22条)に、使用者の原状回復を定めた条文は見当たりませんでした。 2026-10-07に条文で確認しました。決めているのは、その墓地の条例や使用規則のほうです。

墓地を返すまでの4つの段。工事の前に現況写真を撮る、自費で墓碑等をすべて撤去して更地に戻す、更地になったことの証明を受ける、使用許可証などの書類を出す。法律ではなく条例と使用規則が決めている、という関係を示した図。

広島市・札幌市・仙台市の案内と、墓地、埋葬等に関する法律の条文を2026年10月7日に確認しました。

条例ではこう書かれています

東京都霊園条例の第16条です。

使用者は、埋蔵施設の全部若しくは一部又は長期収蔵施設若しくは短期収蔵施設を使用しなくなったとき(第二十条の二第一項の規定により合葬埋蔵施設又は樹木型合葬埋蔵施設への施設の変更をしたときを含む。)は、直ちに知事に届け出るとともに、当該施設を原状に回復しなければならない。ただし、知事が特別の事情があると認めるときは、原状に回復することを要しない。

読みどころは3つあります。

  • 届出と原状回復はセットです。「直ちに知事に届け出るとともに」と書かれています。
  • 「使用しなくなったとき」が起点です。納め先へ移し終えた時点で、この条文が働きます。
  • ただし書きがあります。 特別の事情が認められれば原状回復は要りません。例外があるということは、自分で判断せず窓口に相談する余地があるということです。

3つの市で、求められるものを並べてみました

公営墓地の案内を2026-10-07に確認しました。

広島市札幌市仙台市
更地に戻す記載を確認できず「墓碑等施設をすべて撤去」して更地で返す「自費で原状回復」=更地の状態に戻す
更地の証明記載を確認できず記載を確認できず墓園管理事務所の証明が必要
工事前の写真着工前の現況写真を返還届に添付記載を確認できず記載を確認できず
使用許可証必要原本コピー不可
印鑑登録証明書記載を確認できず原本・発行から3か月以内コピー不可・発行から3か月以内
代理申請記載を確認できず石材店等の代理申請には委任状代理申請の場合は委任状

「記載を確認できず」は、その市がそれを求めていない、という意味ではありません。 そのページでは確認できなかった、というだけです。必ず自分の墓地の窓口で確かめてください。

兵庫県高砂市の公園墓地で、承継・工事・返還の届けを出す順番は高砂市公園墓地の墓じまいで扱っています。

見落としやすいのは、この2つです

工事を始める前に撮っておく写真

広島市は返還の手続きに着工前の現況写真を挙げています。

撤去が終わってからでは、この写真は撮れません。業者に工事を頼む前に、手続きで何が要るかを先に確かめてください。 順番を逆にすると、やり直しのきかない書類が出てきます。

撤去して終わりではない

仙台市は、更地に戻したうえで墓園管理事務所からその旨の証明を受けることを求めています。

業者が撤去を終えた時点ではまだ手続きの途中です。証明を受けて、届けを出して、はじめて返還になります。

工事を頼むのは自分です

水戸市は、更地に戻すための工事について「工事請負業者に直接御相談ください」としています。市が業者を手配してくれるわけではありません。

費用も使用者の負担です。仙台市は「自費で原状回復し」と書いています。

金額の比べ方は墓じまいの見積もりで確認する8項目にまとめました。撤去する範囲(墓石だけか、外柵や植木まで含むか)で金額が変わるため、同じ範囲で見積もりをそろえてから比べてください。

返さないと、管理料は止まりません

遺骨を取り出しただけでは、使用者であることは終わりません。返還の手続きをしない限り、管理料はかかり続けます。

水戸市は、年度の途中で返還してもその年度の管理料は1年分としています。日割りにはなりません。

滞納を続けた場合に何が起きるかはお墓の管理料を払わないとどうなりますかで条例を引いて整理しています。

払った使用料は戻るのか

原則は戻りません。ただし、使用許可を受けてから短い期間で返した場合に限って半額を戻す自治体があります。仙台市は3年以内に返還した場合に永代使用料の半額を返還するとしています。

自治体ごとの違いは墓じまいで永代使用料は戻りますかで5つの条例を比べています。

本サイトで確認できていないこと

  • 民営墓地・寺院墓地の扱い。本記事で確認したのは公営墓地の案内と東京都霊園条例です。民営・寺院の墓地は使用規則が個別に定められています。
  • 撤去の範囲。どこまでを撤去と呼ぶかは墓地によって違います。
  • 撤去した石材の行き先。処分の方法は確認していません。
  • 「特別の事情」の中身。東京都霊園条例のただし書きが実際にどう運用されているかは確認していません。

次に確認すること

工事を頼む前に、墓地の管理者へ次の3つを聞いてください。

  • 返還のときに出す書類は何か(工事の前に撮る写真が要るか)
  • 更地になったことの証明が要るか
  • 使用許可証と印鑑登録証明書は原本が要るか、代理なら委任状が要るか

手続き全体の順番は墓じまいにかかる期間と進める順番で整理しています。

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