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墓じまいのしるべ

身元保証・死後事務のサービスを選ぶとき|納骨・墓じまいまで頼むなら、国のチェックリストで確かめる点

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頼れる家族がいない人が、亡くなったあとの葬儀・納骨・お墓の手続きを事業者に頼もうとするときに。国の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(2024年6月)とそのチェックリストをもとに、契約前に確かめる点(引き受ける範囲・費用・預託金の管理・解約・寄附や遺贈の扱い)を整理し、公的な相談先と、事業者に頼まずに備える方法も並べました。

相談先公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 身元保証・死後事務のサービス(高齢者等終身サポート事業)で、納骨・永代供養・墓じまいの手続きまで頼めることがあると分かる
  • 国のガイドラインのチェックリストのうち、契約前に読者が確かめる項目が分かる
  • 預託金の管理方法・解約の手順と返金・寄附や遺贈を条件にしていないかを確かめる理由が分かる
  • 入院や施設入所で身元保証人がいないことだけを理由に断るのは不適当とされていることが分かる
  • 事業者に頼む前に相談できる公的な窓口と、遺言など自分で備える方法が分かる

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結論:「何を頼めるか」より先に「お金をどう預け、どう解約できるか」を確かめます

亡くなったあとの葬儀・火葬・納骨・お墓の手続きを頼める家族がいない場合、生前に事業者と契約して頼んでおく方法があります。国はこうした事業を「高齢者等終身サポート事業」と呼び、2024年6月に内閣官房・消費者庁・厚生労働省など9府省庁で「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を定めました。

契約は長い期間にわたり、亡くなった後に履行されるものを含みます。選ぶときは次の順に確かめます。

  1. 頼みたいことを書き出す(入院時の保証、葬儀、納骨・永代供養、いまのお墓の墓じまい、遺品整理など)
  2. その事業者が引き受ける範囲と、それぞれの費用
  3. 前払い(預託金)の額と根拠、管理の方法
  4. 解約の手順と、解約したときの返金
  5. 寄附や遺贈(遺言で財産を渡すこと)を契約の条件にしていないか
身元保証・死後事務のサービスを選ぶ順番の図。1 頼みたいことを書き出す、2 引き受ける範囲と費用、3 預託金の額と管理、4 解約の手順と返金。寄附や遺贈が契約の条件になっていないかも確かめる。

編集部作成。国のガイドラインのチェックリストをもとに、確かめる順番に並べた図です。

この記事が役立つ人:子どもがいない・家族が遠方にいるなどで、自分の死後の納骨やお墓の整理を頼める人がいない人。親のお墓を墓じまいした後、自分の分の供養先と手続きを決めておきたい人。

死後事務として頼めることに「納骨」「墓じまいの手続き」が含まれます

ガイドラインは、この事業で提供されるサービスの例を一覧にしています(総務省行政評価局の2023年の調査報告書から一部改変したもの)。死後事務サービスの例には、次のようなものが挙がっています。

  • 死亡の確認と関係者への連絡、火葬許可の申請
  • 葬儀に関する事務、火葬の手続き
  • 収蔵(納骨堂)・埋蔵(墓)・永代供養に関する手続きの代行
  • 費用の精算、病室や家財・遺品の整理
  • 公共料金や携帯電話などの解約
  • 墓地の管理や墓地の撤去に関する手続きの代行

つまり、自分の遺骨をどこに納めるか、いまあるお墓をどうするかも、契約で頼める範囲に入り得ます。ただし、実際にどこまで引き受けるかは事業者と契約の内容で決まります。

国のチェックリストのうち、契約前に読者が確かめる項目

ガイドラインには、事業者が自分で点検するためのチェックリスト(30項目)が別紙で付いています。ガイドラインは、利用者が質の高い事業者を判断する目安としても使われることを目指すとしています。次の表は、そのうち契約前に利用者が確かめやすい項目を、確かめる場面ごとにまとめ直したものです(◎は、チェックリストで法令に根拠があるとされている項目)。

編集部作成。◎は、チェックリストで法令に根拠があるとされている項目です。

引き受ける範囲

チェックリストの項目(要旨)
身元保証の内容と費用の扱い、入退院時の対応、緊急時の連絡先と連絡方法、死後事務の内容と費用の扱いが明らかになっている
どう確かめるか
重要事項説明書・契約書に、頼みたいことが具体的に書かれているか

預託金

チェックリストの項目(要旨)
預託金の額とその根拠、管理方法が明らかになっている/事業者自身の運転資金と明確に区分して管理している
どう確かめるか
誰の名義の口座に、どの方法(信託など)で預けるのかを書面で

寄附・遺贈

チェックリストの項目(要旨)
死因贈与や寄附を条件とした契約をしていない/死因贈与契約をする場合は撤回できることを明らかにしている
どう確かめるか
契約の条件や申込書に、寄附・遺贈の話が入っていないか

説明と書面

チェックリストの項目(要旨)
重要事項を説明し、書面(重要事項説明書)を交付している/契約書を作成し交付している
どう確かめるか
2つの書面を受け取り、持ち帰って読めるか

勧誘

チェックリストの項目(要旨)
◎不当な方法による勧誘を行っていない(例:契約するまで帰さない、不安をあおる)
どう確かめるか
その場で決めさせようとしないか

解約

チェックリストの項目(要旨)
◎解約料が適正な金額に設定されている/◎求めたときに解約に必要な手順を伝える/◎解約料の算定根拠の概要を説明できる
どう確かめるか
解約の方法と、いつ解約したらいくら戻るかを書面で

判断能力の低下

チェックリストの項目(要旨)
判断能力が低下したときの扱いを定めている
どう確かめるか
任意後見などへのつなぎ方が契約に書かれているか

報告と記録

チェックリストの項目(要旨)
◎求めたときにサービスの実施状況を報告する/◎委任の終了後、本人または相続人に経過と結果を報告する
どう確かめるか
定期的な報告の方法と頻度

事業者の体制

チェックリストの項目(要旨)
事業者とサービスの情報をホームページなどで公表している/個人情報の取扱方針がある/相談窓口がある
どう確かめるか
公式サイトで会社概要・料金・相談窓口を確かめる

出典:厚生労働省「「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の策定について(周知)」の別紙チェックリストと、ガイドライン本文(令和6年6月)。表の言い回しは本サイトが要約したものです。

預託金は「どこに・どう分けて」預けるか

ガイドラインは、事業者が利用者から前払金(預託金)を受ける場合、(1)事業者自身の運営資金とは明確に区分して管理すること、(2)利用者に定期的に管理状況を報告することが望ましいとしています。管理の方法としては、信託銀行または信託会社と信託契約を結んで保全することが望ましいとし、別の方法(士業の規制に服する別法人への委託や、分けた預金での管理)では、事業者が破綻したときに十分に戻らない可能性があることにも触れています。

解約の手順と返金は、契約前に書面で

ガイドラインは、解約しようとしたときに方法が分からないという相談が寄せられていることを挙げ、事業者は利用者の求めに応じて解約に必要な手順を伝える努力義務を負う(消費者契約法第3条第1項第4号)としています。解約の方法・事由や返金の扱いは、重要事項説明書で説明し、契約書に書いておくことが重要とされています。

寄附・遺贈を条件にしていないか

ガイドラインは、死因贈与や寄附、遺贈を受けることを契約の条件にすることは避けることが重要とし、遺贈を受ける場合も公正証書遺言によることが望ましいとしています。契約の説明の中で「財産を寄附してもらう」「遺言で事業者に遺贈する」といった話が出たら、その場で決めずに持ち帰ってください。

国民生活センターに寄せられた相談

国民生活センターの「見守り新鮮情報」第511号(2025年5月29日)は、折込チラシを見て身元保証・生活支援・葬送支援の契約をした80歳代の人の相談を紹介しています。代金は約190万円で、勧誘のときは「190万円以外にお金はいらない」と言われたのに、サービスを使うたびに代金を請求され、解約を申し出ると半分しか返せないと言われた、という内容です。

同センターは、契約の前にサービス内容・支払総額・解約条件をよく確かめること、理解できなければその場で判断せず周囲に相談すること、国のガイドラインのチェックリストも参考にすること、自治体が高齢者を支援するサービスを行っている場合もあるのでまず地域のサービスを調べること、を呼びかけています。困ったときの窓口は消費者ホットライン188です。

事業者と契約する前に、相談できる窓口

編集部作成。どこに何を相談できるかは地域によって違います。最初の一歩として、お住まいの市区町村の高齢者の相談窓口に問い合わせてください。

市区町村・地域包括支援センター

相談できること
高齢者の暮らし全般の相談、地域にある支援の紹介
向く場面
何から始めればよいか分からないとき

消費生活センター(188)

相談できること
契約や勧誘、解約・返金のトラブル
向く場面
契約を急かされている、解約で困っているとき

弁護士・司法書士・行政書士など

相談できること
死後事務委任契約や遺言の作成
向く場面
契約書の内容を専門家に見てほしいとき(ガイドラインの対象外の業種)

法務局(自筆証書遺言書保管制度)

相談できること
自分で書いた遺言書を預ける
向く場面
納め先などの希望を遺言として残したいとき

ガイドラインは、医療機関や介護保険施設は正当な理由なくサービスの提供を拒めず、入院・入所のときに身元保証人等がいないことのみを理由に拒むのは不適当とされている、と厚生労働省の通知を引いて示しています。入院や施設入所の保証だけが目的なら、事業者と契約する前に、病院・施設や地域包括支援センターに相談する方法もあります。

なお、ガイドラインは弁護士・司法書士・行政書士など業法の規制がある業種を対象外としています(これらの業種が同じ業務をするときは参考にすることが考えられるとしています)。

事業者に頼まずに備える方法もあります

すべてを事業者に頼む必要はありません。次のように分けて備える方法もあります。

  • 納め先を生前に契約する:永代供養墓・合葬墓の中には、生前に申し込める区画があります。誰が遺骨を運ぶかは別に決めます。
  • 遺言を書く:遺言書は自分で書くこともでき、法務局の自筆証書遺言書保管制度に預けることもできます(保管の申請の手数料は遺言書1通につき3,900円・法務省の案内、2026-11-01確認)。
  • 希望を書き残す:エンディングノートには法的な効力はありませんが、納め先の希望や連絡してほしい人を家族・知人に伝える手段になります。

いまあるお墓を継ぐ人がいない場合の整理の方法は、継承者がいないお墓を整理するにはも参考になります。

編集部作成:申し込む前の確認シート

  • 頼みたいこと(入院時の保証・葬儀・納骨・墓じまい・遺品整理など)を紙に書き出した
  • 重要事項説明書と契約書を受け取り、持ち帰って読んだ
  • 頼みたいことが、引き受ける範囲として書面に書かれている
  • 契約時の費用・月々の費用・使うたびにかかる費用を全部書き出した
  • 預託金の額と根拠、預ける先(信託など)と管理状況の報告方法を確かめた
  • 解約の方法と、いつ解約したらいくら戻るかを書面で確かめた
  • 寄附や遺贈が契約の条件になっていない
  • 判断能力が低下したときの扱い(任意後見など)を確かめた
  • 親族・知人に、契約したことと事業者の連絡先を伝える段取りを決めた

本サイトで確認できていないこと

次に確認すること

よくある質問

Q. 家族がいても、このサービスを使えますか。 使えないという決まりは見当たりません。ガイドラインは、亡くなった後に死後事務について生前の本人の意思と相続人の希望が異なる場合を取り上げ、事業者が相続人に本人の意向を説明することが望ましい一方、相続人の申出に応じて合意で契約を解除・変更することも考えられるとしています。契約したことと内容を家族に伝えておくと、行き違いを防げます。

Q. 預託金は亡くなった後どうなりますか。 契約によって違います。ガイドラインは、死後事務の預託金の取扱いと残金の扱いを、契約書と重要事項説明書に明記した上で契約することが重要としています。残った預託金を誰に返すのか(相続人など)を書面で確かめてください。ガイドラインは、委任の終了後に本人または相続人へ経過と結果を報告することを、民法第645条に根拠がある項目としています。

Q. 契約書は公正証書にしたほうがよいですか。 ガイドラインは、事業者が遺贈を受ける場合は公正証書遺言によることが望ましいとしています。契約書そのものの形式は事業者によって違うため、作り方と費用を確かめてください。

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