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墓じまいのしるべ

自宅の敷地や畑にあるお墓をなくすとき|改葬許可のほかに「墓地の廃止」の許可が要ります

家の裏や畑の一角にある家のお墓(個人墓地)を墓じまいするとき、遺骨を移す改葬許可だけでは終わりません。墓地埋葬法は墓地の「廃止」にも許可を求めています。姫路市の条例の基準、土地の国庫帰属が使えない理由、地目の登記まで、条文の順に整理しました。

手続き公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 自宅の敷地や畑にある家のお墓でも、法律上の墓地であれば、遺骨を移す改葬許可とは別に「墓地の廃止」の許可が要ることが分かる
  • 廃止の許可は、遺骨の改葬が終わり、墓石などを撤去したことが前提になる例(姫路市の条例)が分かる
  • 墓地の中の土地は、相続した土地を国に引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)の申請ができないことが分かる
  • 廃止の後、土地の地目の登記を見直す必要があることが分かる
花と書類を並べ、墓じまいの準備を整理する机

結論:遺骨を移した後に、墓地そのものを「廃止」する許可が要ります

家の裏や畑の一角に、代々のお墓がある。霊園やお寺の墓地と違って、土地も自分の家のもの——こうしたお墓(個人墓地)を墓じまいするときは、手続きが1段多くなります。

  1. 遺骨を移す:いま遺骨がある市区町村で改葬許可を受ける(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)
  2. 墓地をなくす:墓地を廃止しようとする者は、都道府県知事(市・特別区にある墓地は市長・区長)の許可を受ける(同法 第10条第2項・第2条第5項)

第10条第1項は、墓地を経営しようとする者は知事の許可を受けなければならないと定め、第2項は「墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする」と続けています。姫路市は「個人についても、許可なく墓地、納骨堂を経営する(建てる)ことはできません」とし、墓地の区域の縮小や廃止にも許可が要ると案内しています。

霊園やお寺の墓地の区画を返すのは、使用者としての手続きです。墓地を廃止する許可は、墓地を経営する側(霊園・お寺など)の手続きです。自分の家が墓地を持っている場合に、廃止の手続きが自分の側に来ます。

手続きの順番

個人墓地をなくすまでの流れ(墓地埋葬法と姫路市の条例・規則をもとに整理)

1. 事前に相談する

何をするか
廃止の許可が要るか、どんな書類が要るか、周辺への説明や標識が要るか
相手
市の保健所・衛生担当課など
根拠・確認したこと
姫路市は「事前に保健所衛生課までご相談ください」。手引は廃止にも計画の届出・標識・周辺住民への説明(必要な場合)の流れを示す

2. 移す先を決める

何をするか
新しい墓地・納骨堂の受入れを確保
相手
移す先の管理者
根拠・確認したこと
改葬許可申請書に「改葬の場所」を書くため

3. 改葬許可を受け、遺骨を移す

何をするか
1枚に何体書けるかは自治体による
相手
お墓の所在地の市区町村
根拠・確認したこと
第5条。申請書の下段の管理者の証明を誰がするかは窓口で確認

4. 墓地の廃止の許可を申請する

何をするか
改葬が完了したことが分かる書類を添えて申請
相手
都道府県または市・特別区
根拠・確認したこと
第10条第2項。姫路市の規則は改葬完了の書類を添付書類に挙げる

5. 墓石などを撤去する

何をするか
石材店などに依頼
相手
—
根拠・確認したこと
姫路市の条例は、墳墓を撤去するものであることを基準とする。撤去の時期と完了の検査は窓口で確認

6. 土地の登記を見直す

何をするか
地目の変更の登記
相手
法務局
根拠・確認したこと
不動産登記法 第37条(変更から1か月以内)

改葬許可申請書の「管理者」の欄

改葬許可申請書には、大津市・姫路市・四日市市の様式のように、いまの墓地の管理者が埋葬・埋蔵の事実を証明する欄があるものがあります。個人墓地では、家族が管理者になっていることもあります。四日市市の記入例は、町の共同墓地(「○○町共同墓地」)の管理者を「代表」として証明欄に書く例を示しています。自分の家のお墓で誰が証明するかは、申請先の市区町村で確かめてください。

廃止の許可の基準(姫路市の例)

姫路市墓地等の経営の許可等に関する条例(2024年10月1日施行)第14条は、墓地の縮小・廃止の基準を次のように定めています。

墓地又は納骨堂にあっては、縮小又は廃止に係る部分の改葬が完了し、墳墓又は焼骨を収蔵する設備を撤去するものであること。

つまり、遺骨をすべて移し終えてから廃止を申請し、墓石などの墳墓は撤去することが前提です。同市の施行規則は、廃止の申請に「改葬が完了したことを明らかにした書類」を付けるよう定め、手引は許可の後に工事の完了と完了検査(条例第15条)が続く流れを示しています。撤去をいつ行うか(許可の前か後か)は、窓口で確かめてください。基準や書類は都道府県・市ごとの条例で決まるため、お墓の所在地の窓口の基準を確かめてください。

廃止しないとどうなるか

墓地の廃止は、許可を受けて行うものです(第10条第2項)。同法第20条は、第10条の規定に違反した者を罰則の対象としています。遺骨を移して墓石を片付けただけで、許可の手続きを済ませたことにはなりません。

また、第4条は「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定めています。廃止した後の土地には、遺骨を埋めることはできません。

土地を国に引き取ってもらう制度は、墓地のままでは使えません

相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度があります。しかし同制度の施行令第2条は、申請できない土地として「墓地(墓地、埋葬等に関する法律…第二条第五項に規定する墓地をいう。)内の土地」を挙げています。墓地のままの土地は申請できません。

墓地を廃止した後の土地が申請できるかどうかは、建物や境界など、ほかの要件にも左右されます。法務局で確かめてください(法務省の案内では審査手数料は土地一筆当たり14,000円で、別に負担金がかかります)。

地目の登記を見直す

登記簿で地目が「墓地」になっている土地は、廃止の後に使い方が変わったら、地目の変更の登記が必要になります。不動産登記法第37条は、地目について変更があったときは、その変更があった日から1か月以内に変更の登記を申請しなければならないと定めています。どの時点で地目が変わったと扱うか、どんな書類が要るかは、土地の所在地の法務局で確かめてください。

個人墓地の墓じまいで、最初に集める情報

  • お墓のある土地の地番と、登記簿上の地目・所有者
  • そのお墓が墓地として登録されているか(担当窓口で確認)
  • 納められている遺骨の人数と、分かる範囲の氏名・没年
  • 移す先の候補(墓地・納骨堂)
  • 墓石・外柵などの撤去を頼む石材店の見積もり

墓石の撤去以外の、土地の整地や樹木の扱いは、この記事では扱っていません。

本サイトで確認できていないこと

  • 姫路市以外の都道府県・市の、廃止の許可の基準・申請書類・手数料。
  • 古くからある個人墓地で、墓地としての許可の記録が見つからない場合の扱い。
  • 個人墓地の改葬許可申請書で、管理者の証明を誰がするか。
  • 廃止後の土地が相続土地国庫帰属制度の要件を満たすかどうか。

次に確認すること

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