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墓じまいのしるべ

分骨と改葬は手続きが別です|役所の許可が要るのはどちらか

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遺骨を分けて一部を手元に置きたい、一部だけ別の場所へ納めたいというときに。分骨に市区町村の許可は要りません。必要なのは墓地等の管理者が交付する書類で、提出先も役所ではありません。条文で確認した内容と、墓じまいと同時に行うときの順番を整理しました。

手続き公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • 分骨には市区町村長の許可が要らず、必要な書類と提出先が改葬とは別であることが分かる
  • 書類を誰に頼み、誰に渡すのかが条文の根拠つきで分かる
  • 墓じまいと同時に分骨するときに、どちらの手続きを先に進めるかが分かる
  • 手元供養や散骨のために分ける場合に、書類が要る場面と要らない場面の切り分けが分かる

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花と書類を並べ、墓じまいの準備を整理する机

結論:分骨に市区町村の許可は要りません

墓じまいで遺骨を別の場所へ移すときは、市区町村長の改葬許可が必要です。墓地、埋葬等に関する法律(以下、墓埋法)第5条第1項が、改葬を行おうとする者は市町村長の許可を受けなければならないと定めています。

一方、遺骨の一部を分けて別の場所へ納める分骨には、この許可の規定が適用されません。必要なのは、同法施行規則第5条が定める「焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類」です。これは役所ではなく、いま遺骨が納められている墓地や納骨堂の管理者が交付します。

同じ「遺骨を動かす」話でも、書類を出す相手が違うというのが両者のいちばん大きな違いです。

条文で確認した内容(2026-09-28時点)

分骨の手続きは、施行規則第5条の2つの項に分かれています。

第5条第1項は、書類を誰が作るかを定めています。

墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があつたときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない

請求すれば管理者には交付する義務があります。お願いして断られる性質のものではありません。

第5条第2項は、その書類を誰に渡すかを定めています。分骨を埋蔵または収蔵しようとする者は、その書類を墓地等の管理者に提出しなければならない、という内容です。ここでいう管理者は、新しく納める側の墓地や納骨堂の管理者です。

つまり流れはこうなります。

  1. いま遺骨がある墓地・納骨堂の管理者に、書類の交付を請求する
  2. 交付された書類を、新しく納める先の墓地・納骨堂の管理者に提出する

役所は登場しません。大津市も、分骨の場合は改葬許可ではなく墓地管理者が発行する証明書を用いるとして、同市での手続きは不要だと案内しています(2026-09-19に確認)。

改葬との違いを並べます

分骨改葬
根拠施行規則第5条墓埋法第5条第1項・第8条
許可不要市町村長の許可が必要
書類を作る人いま遺骨がある墓地等の管理者市町村長(改葬許可証を交付)
書類を出す先新しく納める墓地等の管理者新しく納める墓地等の管理者
申請先の役所なしいま遺骨がある場所の市区町村

改葬許可証の交付は墓埋法第8条に定めがあり、申請先が「いま遺骨がある場所の市区町村」であることは第5条第2項によります。詳しくは改葬許可申請の流れと必要書類で扱っています。

墓じまいと同時に分骨するときの順番

墓じまいでお墓を撤去し、遺骨の大部分を新しい供養先へ移しながら、一部だけ手元に置く、という形はよくあります。このとき手続きは2つ同時に進みます。

  • 大部分を別の墓地・納骨堂へ移す部分 → 改葬。市区町村長の許可が必要
  • 一部を分けて別の場所へ納める部分 → 分骨。管理者の書類が必要

先に進めるのは改葬のほうです。改葬許可申請には、いまの墓地の管理者が作る埋蔵証明が要ります。同じ管理者に分骨の書類も請求することになるので、一度の連絡でまとめて頼むほうが手間が少なくなります。撤去工事が終わってしまうと管理者との関係が切れ、あとから書類を頼みにくくなる場合があります。

書類が要る場面と、要らない場面

施行規則第5条が想定しているのは、「他の墓地等に埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする」場合です。つまり、分けた遺骨を別の墓地や納骨堂に納めるときの規定です。

分けた遺骨を墓地でも納骨堂でもない場所に置く場合——たとえば自宅に手元供養として置く場合——については、同条が定める提出先が存在しません。本サイトでは、この場合に書類が不要と断定できる根拠を条文から確認できていません。実務上の扱いは墓地等の管理者と納め先によって異なるため、分ける前に両方へ確認してください。

なお、分けた遺骨を散骨する場合は、散骨そのものに申請手続きがありません。この点は墓じまい後に海洋散骨を選ぶ前にで扱っています。

確認できていないこと

  • 書類の名称は法令上「焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類」です。「分骨証明書」という呼び方は自治体や事業者の案内で使われていますが、法令上の名称ではありません。書式も法令で統一されていないため、管理者に実物を確認してください。
  • 手数料の定めは施行規則第5条にありません。管理者が実費を求めるかどうかは確認が必要です。
  • 遺骨を分ける作業自体(粉骨を伴うかどうかを含む)について、本サイトでは法令上の定めを確認できていません。

分骨のほかにも、許可が要らない場合があります

火葬後ずっと自宅に置いている遺骨を初めて納めるときも、改葬許可は要りません。どの場合が当てはまるかは改葬許可が要らないのはどんなときですかにまとめました。

次に確認すること

分骨した遺骨をどこに納めるかが決まっていない場合は、先に納め先の条件を確認してください。個別に安置するのか合祀か、あとから取り出せるかで、分ける量も変わります。

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