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墓じまいのしるべ

デジタル終活は生前に|スマホのロック・ネット銀行・サブスク・SNSを、家族が困らないように整理する手順

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自分が亡くなった後、スマホが開けずに家族がネット銀行やサブスクの契約にたどり着けない、という相談が消費生活センターに寄せられています。国民生活センターが勧める4つの対策と、Apple・Google・Facebook が用意している無料の設定を、公式の案内で確かめて整理しました。有料の代行サービスを使う場合に確かめる点も書いています。

はじめに公開日:情報確認日:作成:編集部

この記事で分かること

  • スマホのロックが解けないと、家族はネット銀行やサブスクの契約を調べにくいと分かる
  • 国民生活センターが勧める4つの対策(ロック解除の手段・契約の一覧・エンディングノート・アカウントの指名)が分かる
  • Apple の故人アカウント管理連絡先と、Google のアカウント無効化管理ツールで何ができ、何ができないかが分かる
  • SNS は、Facebook の追悼アカウント管理人のように、サービスごとに死後の扱いを選べることがあると分かる
  • 有料の代行サービスを使う場合、本人が生前に契約するものであり、契約前に解約と返金の条件を確かめる理由が分かる

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白い花瓶に生けた紫の花

結論:まず「家族がスマホを開ける手段」と「契約の一覧」を残します

スマホやパソコンの中には、ネット銀行・証券の口座、毎月お金がかかるサブスク、SNS のアカウントなど、紙の書類が無い契約がたくさん入っています。国民生活センターは、こうした「デジタル遺品」について、家族がスマホを開けずに契約先が分からない、IDとパスワードが分からずサブスクを解約できない、といった相談が寄せられているとして、生前にしておく「デジタル終活」を呼びかけています(2024年11月20日公表)。

国民生活センターが挙げる事前の対策は、次の4つです。

  1. 万が一のとき、家族がスマホやパソコンのロックを解除できるようにしておく
  2. ネット上の資産やサブスクは、サービス名・ID・パスワードを整理しておく
  3. エンディングノートを使う
  4. アカウントにアクセスできる人を指名できるサービス(Apple・Google)を使う

どれも、お金をかけずに自分で始められます。このページでは、この順に進め方を書き、最後に有料の代行サービスを使う場合に確かめる点をまとめます。

この記事が役立つ人:墓じまいや自分の納め先を考えるついでに、スマホやネットの契約も家族が困らないようにしておきたい人。親のスマホのことが気になっているが、何から話せばよいか分からない人。

家族が困ること:スマホが開けないと、契約にたどり着けません

国民生活センターの資料に載っている相談の例です。

  • 亡くなった兄のネット銀行の口座を確かめたくて、携帯電話会社の店舗に画面ロックの解除を頼んだが、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた(60歳代)。
  • 夫が亡くなって携帯電話を解約した後、スマホのセキュリティのサブスクの契約が残っていると分かった。すぐに解約するにはIDとパスワードが要ると言われた(80歳代)。
  • 故人が使っていたコード決済の相続手続きが、1か月以上たっても終わらない。

資料は、パスワードが分からない場合に第三者がロックを解除するのは難しいこと、ネット上の資産は本人以外が実態をつかみにくく相続の手続きに時間がかかることがあること、サブスクは解約しない限り請求が続くことを、特徴として挙げています。

お墓の管理料をネット銀行の口座から引き落としている場合も、家族がその口座に気づけなければ、管理料の払い方の確認や名義の手続きが進めにくくなります。お墓の書類の置き場所と一緒に、口座のことも残しておくと手間が減ります(お墓について書いておく項目はエンディングノートにお墓のことを書くときにまとめています)。

1. ロックを解除する手段を残す:「スマホのスペアキー」

スマホのパスワードは、第三者に知られないように管理するのが原則です。国民生活センターも、日頃から共有しておくことは思わぬトラブルにもなり得るとしたうえで、緊急時の工夫として次の方法を紹介しています。

  1. 名刺くらいの大きさの紙にパスワードなどを書き、パスワードの部分に修正テープを2〜3回重ねて貼って隠す。
  2. 家族が見つけられる場所に保管しておく。家族は、必要なときにコインなどで修正テープを削って確かめる。

2. ネット銀行・証券・サブスクの一覧を作る

オンラインで申し込んだ契約は、書面が紙ではなくメールで届いていることがあり、家族が見つけにくいとされています。日頃から、契約しているサービスと ID・パスワードを整理しておきます。

編集部作成:一覧に書いておくこと

  • ネット銀行・ネット証券:金融機関の名前(口座番号まで書くかは保管の方法と合わせて考える)
  • コード決済・電子マネー:サービスの名前と、残高が残っていそうか
  • 毎月・毎年お金がかかるサブスク:サービスの名前、支払いに使っているカードや口座
  • メールアドレスと、スマホの会社(携帯電話の契約)
  • SNS:サービスの名前と、亡くなった後にどうしてほしいか(残す・消す)
  • 写真や書類を預けているクラウドの名前

パスワードそのものを一覧に書くかどうかは、保管する場所が安全かどうかで決めてください。

国民生活センターは、ID やパスワードが分からなくても、契約先の事業者が分かれば、家族から連絡することで解約などに応じてもらえるケースが多いとしています。まずは「どこと契約しているか」が分かることが大切です。

また、故人が株の取引をしていたか分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求(有料)をすると、証券口座を開いていた証券会社を調べられる、と資料の注に書かれています。

ID とパスワードを整理するときは、Apple や Google が用意しているパスワードの確認・管理の機能を使うと効率的に確かめられる、とも案内されています。

3. エンディングノートに書く

一覧は、エンディングノートに書いておく方法もあります。国民生活センターは、法務省が無料で公開しているエンディングノートを、スマホのパスワードや契約中のサービスの整理に使うよう紹介しています。自治体が配っているノートもあります。

エンディングノートには法的な効力がありません。財産を誰に渡すかなど、法的にはっきりさせたいことは遺言で残します。ノートの選び方と、遺言との使い分けはエンディングノートにお墓のことを書くときにまとめています。

4. Apple・Google のアカウントで、家族を指名しておく

スマホの基本のソフトを出している Apple と Google には、自分が亡くなった後などに、誰がアカウントの情報を受け取れるかを決めておく仕組みがあります。どちらも無料で設定できます(2026-11-06に各社のヘルプで確認)。

編集部作成。各社のヘルプの記載をもとにまとめました。設定の画面や条件は変わることがあるため、設定するときに各社のヘルプで確かめてください。

何をする仕組みか

Apple(故人アカウント管理連絡先)
自分の死後に、Apple Account の一部のデータにアクセスできる人を選んでおく
Google(アカウント無効化管理ツール)
一定の期間アカウントを使わない状態が続いたら、データの一部を指定した人に共有したり、通知したりする

指名できる人

Apple(故人アカウント管理連絡先)
複数名を選べる。Apple Account や Apple 製品を持っていない人でもよい
Google(アカウント無効化管理ツール)
10人まで。人ごとに共有するデータの種類を変えられる

受け取れるもの

Apple(故人アカウント管理連絡先)
写真・メッセージ・メモ・ファイル・デバイスのバックアップなど
Google(アカウント無効化管理ツール)
設定のときに選んだ種類のデータ(共有できない情報もある)

受け取れないもの

Apple(故人アカウント管理連絡先)
購入した映画・音楽・ブック・サブスクリプション、iCloudキーチェーンのお支払い情報・パスワード・パスキーなど
Google(アカウント無効化管理ツール)
ヘルプに「共有できない情報もある」との記載

家族がすること

Apple(故人アカウント管理連絡先)
アクセスキーと、死亡の記載がある戸籍謄本(日本の場合)を用意して申請する
Google(アカウント無効化管理ツール)
設定した期間が過ぎると、Google から届くメールの案内に沿ってデータを受け取る

設定する場所

Apple(故人アカウント管理連絡先)
iPhone の「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」→「故人アカウント管理連絡先」
Google(アカウント無効化管理ツール)
Google アカウントの「アカウント無効化管理ツール」のページ

Apple の仕組みでは、指名したときに作られるアクセスキーが欠かせません。アクセスキーと戸籍謄本の両方がないと、指名された人もデータへのアクセスを申請できません。Apple は、アクセスキーの控えを印刷して渡すか、遺産相続の書類と一緒に保管しておくよう案内しています。指名していなかった場合は、裁判所の命令などの法的な書類で申請する方法が案内されていますが、一部のデータは暗号化されていて Apple でも復号できないとされています。

Google は、無効化管理ツールを設定しなかった場合、2年以上使われていないアカウントとそのデータを削除する権限があるとしています。家族や代理人から、故人のアカウントについての依頼を受け付ける窓口も案内されています。

SNS は、サービスごとに「残す」「消す」を選べることがあります

SNS は、亡くなった後の扱いがサービスごとに違います。たとえば Facebook では、自分が亡くなった後に追悼のプロフィールを管理してもらう「追悼アカウント管理人」を指名するか、アカウントを完全に削除するかを選べます(2026-11-06確認)。

  • 管理人にできること:プロフィールに投稿を書いて固定する、プロフィール写真・カバー写真を変える、アカウントの削除をリクエストする、本人がオンにしていた場合はシェアした内容のコピーをダウンロードする。
  • 管理人にできないこと:ログインする、メッセージを読む、友達を削除する・新しく申請する。
  • 管理人を選べるのは20歳以上の利用者だけです。

ほかの SNS も、使っているサービスのヘルプで「亡くなった」「追悼」などの語で調べ、どうしてほしいかを一覧に書き添えておくと、家族が迷わずに済みます。

家族と共有しておくこと

ここまでの準備は、家族が「どこを見ればよいか」を知らなければ役に立ちません。

  • スペアキーや一覧の置き場所を、信頼できる家族1人には伝えておく。
  • Apple・Google で指名した人には、指名したことを伝える(Apple は、iMessage で知らせるか控えを渡すと案内しています)。
  • 年に一度など、契約や口座が変わっていないか見直す日を決める。

家族と話すきっかけの作り方は家族と墓じまいを話すときの順番も参考になります。頼れる家族がいない場合の死後の手続きの頼み方は身元保証・死後事務のサービスを選ぶときにまとめています。

自分で整理しきれないとき:有料の代行サービスという選択肢

端末やアカウントが多い、家族に見せたくないデータを消しておいてほしい、自分では設定が難しい、といった場合には、生前に契約しておき、亡くなったときなどにデータの削除や家族への引き継ぎを代わりにする有料のサービスもあります。このページの下の広告欄に1件載せています。

使うかどうかを決める前に、次を確かめてください。

  • 申し込むのは本人で、生前に契約するものです。 下の広告欄のサービスも本人との契約の形で、亡くなった後に家族が申し込むことはできません。
  • 費用は自分で整理する場合よりかなり大きくなります。 下の広告欄のサービスは、標準のプランが330,000円(税込)の一括払いと公式サイトに表示されています(2026-11-06確認)。条件によっては別の費用がかかることがあると、特定商取引法に基づく表記に書かれています。
  • 家族の協力が要ることがあります。 下の広告欄のサービスは、家族が端末を送り返すことで作業が始まる仕組みで、送り返さなければパスワードの通知などは受けられないとされています。契約したことを家族に伝えておく必要があります。
  • 解約したときの返金を、契約前に書面で確かめます。 作業を始めた後は全額の返金に応じられない場合がある、と特定商取引法に基づく表記に書かれています。
  • 相続の手続きは別です。 口座の情報を家族に伝えることと、預金を相続する手続きは別のものです。遺言や相続の手続きは、法務局や専門家の案内で進めてください。

料金や内容は変わることがあります。申し込む前に、公式サイトで最新の情報を確かめてください。

本サイトで確認できていないこと

次に確認すること

よくある質問

Q. パスワードを家族に教えておけば十分ですか。 国民生活センターは、パスワードを日頃から共有しておくことは思わぬトラブルにもなり得るとして、修正テープで隠した「スマホのスペアキー」を、家族が見つけられる場所に保管する方法を紹介しています。教える場合も、保管の方法を家族と決めておくと安心です。

Q. 家族のスマホのロックを、携帯電話会社で解除してもらえますか。 国民生活センターの相談の例では、携帯電話会社の店舗で「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われたケースが紹介されています。本人が元気なうちに、ロックを解除する手段を残しておくことが大切です。

Q. サブスクの ID とパスワードが分からないと、家族は解約できませんか。 国民生活センターは、ID やパスワードが分からなくても、契約先が特定できれば家族から連絡して解約などに応じてもらえるケースが多いとしています。どのサービスと契約しているかを一覧に残しておくことが手がかりになります。

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